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米民主党大会、バイデン大統領登壇 ハリス氏登用は「私の最良の判断」 世代交代アピール

産経ニュース 2024年8月20日 20時30分

【シカゴ=坂本一之】米民主党は中西部イリノイ州シカゴで19日に開幕した党全国大会で、大統領選出馬を辞退したバイデン大統領(81)を登壇させ、世代交代を強くアピールした。バイデン氏の撤退表明後、党候補のハリス副大統領(59)への支持は高まり、共和党大統領候補のトランプ前大統領(78)を上回る。11月5日の投開票日まで約2カ月半。民主党は党大会を通じて結束を強め、勢いを維持したい考えだ。

「サンキュー・ジョー」。19日の民主党全国大会にバイデン氏が登壇すると、会場にはバイデン氏への感謝を伝える声と拍手が響いた。バイデン氏は壇上で、娘のアシュリーさんと抱擁し、涙をぬぐう場面も見られた。

来年1月に退任を控えたバイデン氏の演説は、任期中にハリス氏と成し遂げた雇用創出などの実績を誇示するものとなった。そのうえで、ハリス氏の副大統領選出が「私の職歴全体で最良の判断」だと言及し、支持を呼びかけた。

また、演説では大統領選だけでなく、同時実施の上下両院選にも触れ、「上院(の多数派)を維持し、下院(の多数派)を取り戻す必要がある」と訴えた。

バイデン氏の選挙戦撤退の決断で、民主党には追い風が吹く。米政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の各種世論調査の集計(19日時点)によると、全米支持率はハリス氏が48・2%で、トランプ氏を1・5ポイント上回っている。

6月の候補者討論会で精彩を欠いたバイデン氏の能力を懸念していた人や、前回大統領選と同じ顔触れの高齢対決を嫌う「ダブルヘイター」と呼ばれる有権者の票が動いているようだ。

米大統領選は、有権者が、特定候補を支持する「選挙人」を選ぶ間接選挙。選挙人は全米50州と首都ワシントンに計538人配分され、過半数の270人を獲得した候補が当選する。米政治分析サイト「クック・ポリティカル・リポート」の調査では、現在、接戦州を中心に77人の選挙人を巡ってハリス、トランプ両陣営が激しく争う。

焦るトランプ氏は記者会見の数を増やして、ハリス氏を激しく攻撃する戦略を取る。民主党の課題は、発信力の強いトランプ氏の攻勢を前に、ハリス氏の勢いをどう維持するかだ。バイデン氏は演説で、「結束すれば不可能なことなどない」と言及。党が一枚岩となってトランプ氏と対峙する重要性を強調した。

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