【ワシントン=大内清】トランプ米政権は22日、紅海を航行する船舶への攻撃を続けていたイエメンの親イラン民兵組織フーシ派を「外国テロ組織」に再指定したと発表した。フーシ派のテロ組織指定を解除しイランとの関係構築を目指したバイデン前政権からの方針転換を鮮明にさせた。
ホワイトハウスは発表で「トランプ政権は地域のパートナー諸国と連携してフーシ派の能力を奪い、紅海での船舶攻撃を終わらせる」と強調した。フーシ派は、パレスチナ自治区ガザで今月発効したイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの停戦が続く限りは船舶攻撃を停止するとしている。
トランプ政権は1期目の任期切れ直前の2021年1月にフーシ派をテロ組織に指定。バイデン前政権は発足直後、トランプ政権が一方的に脱退したイラン核合意の再建に向けた呼び水とする狙いから指定を解除した。
しかし同合意の再建協議は頓挫。イランの支援を受けるフーシ派は、ハマスとイスラエルの戦闘が発生した23年10月以降、イスラエルや紅海を航行する民間船舶への攻撃を繰り返していた。