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「トランプ氏倒すため一致団結すべき」大統領選撤退のバイデン氏、世代交代を決断

産経ニュース 2024年7月22日 20時3分

【ワシントン=坂本一之、大内清】11月の米大統領選で再選を目指した民主党のバイデン大統領(81)は21日、選挙戦からの撤退を表明した。6月の討論会で精彩を欠いたことで、民主党内から共和党のトランプ前大統領(78)に勝てる候補への交代を求める圧力が強まっていた。バイデン氏は後継の民主党候補としてハリス副大統領(59)を支持。ハリス氏は立候補を表明した。

再選を目指す現職大統領の出馬辞退は、ベトナム戦争への反対運動が起きた1968年のジョンソン大統領以来56年ぶり。バイデン氏は21日、X(旧ツイッター)で「残りの任期で大統領としての責務に全てのエネルギーを注ぎ込む」と述べ、トランプ氏を「倒すために一致団結するべき時だ」と語った。

2020年の大統領選を経て歴代最高齢で大統領に就任したバイデン氏は2期目入りを目指し、今年2月から民主党が各州で実施した予備選・党員集会で圧勝。3月に党候補指名を確実にしたが、6月の討論会で言葉に詰まるなど高齢不安が再燃し撤退論が拡大した。大統領選と同時に実施される上下両院の選挙への悪影響の懸念も高まり、異例の撤退に追い込まれた。

民主党は今後、大統領選でトランプ氏と戦う新候補の選出を進める。ハリス氏は21日、声明を発表し、「トランプ氏を打ち破るため全力を尽くす」と訴え、党の団結に向けて取り組むことを誓った。

民主党内ではクリントン元大統領夫妻が声明で、ハリス氏を「すべてをかけて支持する」と表明。全米50州の民主党委員長もハリス氏を支持する方向で動いている。ハリス氏が民主党の候補指名を勝ち取れば、主要政党で初の黒人女性の大統領候補になる。

大統領選を巡っては、今月13日にトランプ氏が標的となる銃撃事件が選挙集会で発生。共和党は15~18日に開催した全国大会で結束を演出して気勢を上げている。トランプ氏は21日、CNNテレビで「ハリス氏はバイデン氏よりも倒しやすい」と11月の本選に向けた自信をのぞかせた。

民主党は11月5日の大統領選投票日に備え、党の大統領候補を正式指名する全国大会を8月19~22日に予定している。

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