【ワシントン=大内清】米首都ワシントン近郊で起きた小型旅客機と米軍ヘリの衝突・墜落事故で、トランプ大統領は1月31日、ヘリが規定の高度よりも高い位置を飛行していたと明らかにした。自身の交流サイト(SNS)に投稿した。
投稿でトランプ氏は、旅客機と衝突した陸軍のヘリ「ブラックホーク」が「高く飛びすぎていた。約60メートルの制限よりもはるかに高かった」と指摘。「理解するのにそれほど複雑なものでもないだろう?」と述べた。
事故原因を調査する運輸安全委員会(NTSB)は同日までに旅客機のフライトレコーダー(飛行記録装置)やコックピット内の音声記録装置を回収して事故当時の状況の解析を進めているが、「原因の特定までには時間がかかる」(幹部)としている。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、ヘリは水中で逆さまになった状態で発見され、旅客機は機体がバラバラになっていた。また、旅客機が着陸しようとしていたレーガン・ナショナル空港の管制塔では事故当時、通常より人手が少なく、ヘリコプターの管制に専念できる職員がいない状態だったという。米国では、各地の空港で管制官の慢性的な不足が指摘されている。
トランプ氏は30日、航空輸送事業を監督する連邦航空局(FAA)が、障害者などの少数派に配慮した雇用を進めたことが管制能力の低下につながったと主張。少数派の活躍の場を増やして社会の活性化を目指す「多様性・公平性・包括性(DEI)」の原則を推進したバイデン前政権やオバマ元政権を批判していた。