【ワシントン=坂本一之】トランプ新米政権は20日、優先政策に関する文書を発表し、国務省に「米国第一」主義に基づく外交政策を進めるようトランプ大統領が指示したことを明らかにした。米国の紛争関与を抑制し、国際協調よりも米国の利益拡大に向けた外交を強化する方針だ。
トランプ氏は20日の就任演説で、「かつてないような世界最強の軍隊を築きあげる」と強調。「(米軍の)最高司令官として脅威や侵略から米国を防衛すること以上の責任はない」と語り、国民の生命や財産、領土を守る姿勢を強調した。
その一方で、「われわれにとっての成功は、戦いに勝つだけでなく、戦争を終結させることだ」と述べた。ロシアによるウクライナ侵略戦争などの終結を図ることが米国にとって重要であることを訴えたとみられる。共和党内からはバイデン前政権による巨額の対ウクライナ支援に批判の声が出ていた。
トランプ氏はまた、各地で起きる紛争を巡り「最も重要なことは戦争に巻き込まれないことだ」と述べ、軍事的関与を控える方針を示した。