債務不履行(デフォルト)に陥っているインド洋の島国、スリランカは24日までに、「デフォルトを終結した」と宣言した。信用格付け会社がスリランカについて、相次いで格付けを引き上げた。
格付け会社フィッチ・レーティングスは20日、スリランカの長期外貨建て発行体デフォルト格付け(IDR)を「制限的デフォルト」から「CCC+」に引き上げた。米格付け大手ムーディーズ・レーティングスも23日、長期外貨建て発行体格付けを非常に投機的でデフォルトに陥っているかそれに非常に近い状態の「Ca」から3段階引き上げ、「Caa1」にした。
スリランカは最近、国際債券125億5000万ドル(約2兆円)の再編について主要債権者と協議し、合意を得ていた。
インド紙エコノミック・タイムズによると、スリランカ財務省は20日、格付け引き上げを受け「スリランカは正式にデフォルトを脱したことになり、経済回復途上での大きな出来事となった」と発表した。
ディサナヤカ大統領は、ウィクラマシンハ前政権下で始まった国民の痛みを伴う国際通貨基金(IMF)支援について、枠組みの見直しを主張していたが、IMFとの協議後、課税最低額を引き上げることができたと表明した。
スリランカは相次ぐ大型事業や減税、新型コロナウイルス禍による観光業の低迷などで、中国や日本などへの債務支払いができなくなり2022年にデフォルトに陥った。中国の支援で整備したハンバントタ港の運営権を中国に譲渡したのは、「債務の罠(わな)」の典型とされる。(岩田智雄)