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モンゴル与党が総選挙「勝利」宣言 人民党が異例の3期目長期政権へ、議席占有率は低下

産経ニュース 2024年6月29日 7時49分

【ウランバートル=三塚聖平】モンゴルで28日実施された国民大会議(国会)の総選挙で、与党モンゴル人民党の党首であるオユーンエルデネ首相は29日記者会見し、過半数の議席を獲得したとして勝利を宣言した。モンゴルメディアが伝えた。人民党は2016年から単独政権を維持しており、民主化後のモンゴルでは異例となる3期目の長期政権を担うことになる。

人民党は68~70議席を獲得するとの見通しを示した。今回の総選挙から議員定数は従来の76議席から126議席に拡大された。人民党の議席占有率は20年の前回総選挙で約8割だったが、今回は5割台にまで低下した。最大野党の民主党が内紛を抱える中、今回も人民党が優勢とみられていたが、結果的には何とか単独過半数を維持する水準にとどまった。

モンゴル経済を巡っては、23年の国内総生産(GDP)成長率が中国への石炭輸出の好調で7・0%を達成した一方で、庶民は物価高に直面している。首都ウランバートルでは渋滞などの社会問題を解消できていない。庶民の不満の高まりが人民党の議席占有率低下につながった可能性がある。

人民党政権の長期化を警戒した有権者も一定数いたとみられる。1990年に社会主義国家から民主化への移行が始まったモンゴルでは1992年以降8回の総選挙が実施されたが、そのたびに政権交代が行われてきた。人民党の政治手法が強権的になっていると指摘する市民も存在する。

今回の選挙は、今年1月施行の憲法改正により人口増を理由に126議席に拡大したほか、死票を減らすため、うち48議席を比例代表制で選ぶことにした。

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