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パラオ大統領「中国が観光を武器化」と非難 日米などとの連携で市場多様化目指す

産経ニュース 2024年7月19日 16時28分

政府が計18の太平洋島嶼(とうしょ)国・地域の首脳らを招き、島国としての共通課題を議論する第10回「太平洋・島サミット」に参加したパラオのウィップス大統領が18日、東京都内で行われた笹川平和財団主催のセミナーで、中国が観光客需要を武器に圧力をかけてきた実態を語った。

ウィップス氏は、パラオへのインバウンド客は一時期、60%以上を中国人が占めたが、「中国は、台湾非難にパラオが従わないと観光を武器にする」ようなことを繰り返してきたと発言した。

中国需要は現在でも観光の最大シェアを持っているが、ウィップス氏によると、最近中国で「パラオは訪問するには安全な場所ではない。行くべきではない」と報道された。その報道はウィップス氏がサイバーセキュリティーに関して、「最近のハッキングは中国から発せられたようだ」と発言した後にあったという。

ウィップス氏は「中国が経済的支配力を用いてわれわれの決定に影響を与えようとする例の一つだ」と指摘。その上で「観光の供給源を多様化する必要があると確信する」と強調した。

また、米国に加え、日本や台湾、オーストラリアとのパートナーシップが太平洋の現状を維持し、平和を確保するとし、「そうした機会は市場を多様化し続ける」と強調した。

パラオは、第二次世界大戦後、米国を施政国とする国連の信託統治領となった。1994年の独立後は、米国との自由連合協定(コンパクト)に基づき、安全保障・国防上の権限と責任は米国が有している。(岩田智雄)

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