巨額の対外債務を抱えて経済危機にあるインド洋の島国スリランカで14日、議会選(一院制、225議席)の投票が始った。ディサナヤカ大統領率いる人民解放戦線(JVP)が参加する左派勢力、人民の力(NPP)が現有の3議席から、どれだけ議席数を伸ばせるかが焦点だ。即日開票され、大勢判明は日本時間15日の見通し。
港湾や空港といった大型公共事業を相次ぎ行ったスリランカはデフォルト(債務不履行)に陥り、いわゆる中国の「債務の罠(わな)」にもはまっている。政府は国際通貨基金(IMF)や債権国の支援を得て経済改革を進めたが、国民の強烈な不満を受け、改革見直しを掲げたディサナヤカ氏が9月の大統領選で初当選を果たした。同氏は、大統領就任直後に議会を解散し、総選挙に打って出ていた。地元メディアはNPPの優勢を伝えている。
JVPは、マルクス・レーニン主義を掲げ、1970~80年代に反政府武装闘争を展開した。(岩田智雄)