超党派の日本チベット国会議員連盟の山谷えり子会長(自民党)は8日、中国チベット自治区で起きた地震を受け、東京都内のチベット亡命政権の代表機関、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所でアリヤ代表に対し、お見舞いと被災地の早期復興を祈るメッセージを送った。「被害の大きさに心を痛めている。亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたい」と述べた。
7日午前に発生したマグニチュード(M)6・8の地震で、中国国営新華社通信は同日午後7時までに126人が死亡、188人が負傷したと報じた。避難者は3万人以上となる。
山谷氏は、アリヤ氏から被災状況を聞き、「一日も早い復旧・復興を祈りたい。状況が詳しく分かれば、改めて何ができるかを考えたい」と語った。
アリヤ氏は、「一番の問題は(亡命しているため)われわれは現地に入れない。外国人の援助も今のところ入れない。中国政権が『すべてわれわれでやる』といっており、どのくらいやってくれるかだ」と複雑な心境をのぞかせた。
震源地のシガツェ市ティンリ付近は海抜4千メートル級の高地で、アリヤ氏は「富士山よりも高い。今は寒い」と指摘した。地震の遠因については「中国政権がダムを多く作っている影響ではないか」とも語った。
チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は中国がチベットを武力制圧したチベット動乱で1959年にラサを脱出し、インド北部ダラムサラに亡命政府を設置。同事務所は亡命政府の代表機関に当たる。
日本チベット国会議連会長だった自民の下村博文元政調会長は昨年10月の衆院選で落選し、山谷氏が新しく会長に就任した。(奥原慎平)