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中国が軍民両用品の輸出管理厳格化 12月施行 対露貿易巡る米欧の批判に対応の狙い

産経ニュース 2024年10月20日 18時40分

【北京=三塚聖平】中国共産党機関紙、人民日報は20日、軍事と民生の双方で利用できる「デュアルユース(両用)」物品に関する輸出管理条例が12月1日に施行されると伝えた。軍民両用品の輸出を許可制にして罰則も定めた。軍事転用可能な物資の輸出で中国がロシアのウクライナ侵略を支えていると米欧諸国から批判されていることに対応する措置とみられる。

中国政府が公表した「両用物品輸出管理条例」の全文によると、軍事転用可能な物品や技術、サービスなどに関する輸出管理を強化する。特に大量破壊兵器の設計や開発、生産、使用に関する物品に重点を置く。輸出先の最終使用者や使用目的の管理も強化する。

対象物品を輸出する際には、中国政府の担当部門に許可申請を輸出業者に義務付けた。報告義務を履行しなかった輸出業者に罰金を科すなどの罰則規定も設けた。

条例制定で、中国の軍民両用品輸出への米欧諸国の批判に対応する狙いとみられる。米政権らは、中国がロシアへの軍事産業支援を進めていると非難している。

中国司法省と商務省は19日に発表した談話で、同条例について「国情に基礎を置き、国際的に通用するルールと調和した輸出管理制度を整える」と強調。一方で「正常な国際的な科学技術交流や経済貿易協力の障害にはならない」と主張した。中国政府はロシアと「正常な貿易協力を進める」としている。

北京の外交筋は「中国は輸出管理体制の整備により、米欧からの批判に反論できる法制度を構築することを急いでいる」と指摘する。

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