【北京=三塚聖平】中国外務省の劉勁松(りゅう・けいしょう)アジア局長は10日、在中国日本大使館の横地晃首席公使と面会し、日米首脳会談について厳重な抗議を行った。中国外務省が同日発表した。日米首脳会談で「中国に関する後ろ向きな動き」があったとして、「重大な懸念と強い不満」を表明した。
日本大使館によると、横地氏は日本の立場を説明したほか、「中国を巡る諸懸案」について日本の立場を改めて申し入れた。また、日中関係や双方が関心を持つ課題について意見交換も行ったという。
中国外務省の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は10日の記者会見で、日米首脳会談に関して「中国の内政に公然と干渉し、中国を攻撃、中傷した」と述べて非難した。
7日に米ワシントンで行われた石破茂首相とトランプ米大統領との会談では、中国の東シナ海や南シナ海での力による一方的な現状変更に反対する決意を確認したほか、台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を強調した。
郭氏は、台湾問題については「中国の核心的利益の中の核心であり、いかなる外部の干渉も許さない」と猛反発した。日米首脳会談で日米安全保障条約第5条の適用対象に含まれることを確認した尖閣諸島(沖縄県石垣市)については、「中国固有の領土だ」と主張した。