【台北=西見由章】台湾の国防部(国防省に相当)は10日、同日朝までの24時間に台湾周辺で中国の軍用機延べ47機の活動を確認したと発表した。うち延べ16機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越えた。台湾周辺で中国の軍艦12隻と公船9隻も確認された。
国防部は9日、中国軍が台湾対岸の福建省や浙江省の東側空域に軍事演習エリアとなる可能性がある「保留区」を11日まで7カ所設定したと発表し、警戒を高めていた。中国軍で対台湾作戦を担う東部戦区だけでなく、北部戦区や南部戦区の艦艇と海警船も台湾海峡周辺や西太平洋で確認されたという。
中国は、台湾の頼清徳総統が太平洋島嶼国への外遊で米ハワイ州と米領グアムに立ち寄ったことに反発しており、台湾当局者は中国がこれを口実に軍事演習を実施する可能性を「排除できない」と述べていた。