【北京＝三塚聖平】中国を訪問した岩屋毅外相は25日、北京で李強首相と会談した。中国と「戦略的互恵関係」の包括的な推進を再確認し、日中関係を安定化させることを狙う。岩屋氏の訪中は10月の就任後初めて。日本の外相の訪中は2023年4月の林芳正氏以来。
岩屋氏は同日、王毅共産党政治局員兼外相とも会談する。王氏に来日を要請し、首脳や閣僚などの往来継続につなげる考えだ。
日中外相会談では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止した日本産水産物の早期の輸入再開を求める立場を改めて伝えるほか、中国当局がスパイ容疑で邦人を拘束した件など諸懸案についても提起するとみられる。
外相会談後には、19年以来となる閣僚級の「日中ハイレベル人的・文化交流対話」（人文対話）が開催される予定。日本側は、中国人が日本を訪れる際に必要な査証（ビザ）の発給要件の緩和措置を打ち出す方向で調整している。