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中国・蘇州の日本人母子切り付け、中国人男に死刑判決 故意殺人罪、動機なお不透明

産経ニュース 2025年1月23日 16時14分

中国東部、江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人母子らが中国人の男に切り付けられて死傷した事件で、蘇州市中級人民法院(地裁)は23日、故意殺人罪で無職の周加勝被告(52)に死刑判決を言い渡した。日本外務省が明らかにした。公判では動機を巡って日本に関する言及はなかった。

事件は昨年6月24日、日本人学校のスクールバスを停留所で待っていた30代女性と未就学の男児が男に刃物で襲われて負傷。阻止しようとしたバス案内係の中国人女性、胡友平さん=当時(54)=が刺されて死亡した。中国当局は周被告を拘束し、昨年11月29日に起訴していた。

外務省によると、裁判官は判決で「今回の犯行は、借金苦から生きているのが嫌になり、子供を含む3人を殺傷したもので、極めて悪辣で社会的影響が重大であり、極刑が相当だ」と述べた。

周被告は居住する安徽省から蘇州市を訪れて犯行に及んだ。23日午後の時点で控訴は確認されていないという。

林芳正官房長官は23日の記者会見で、「政府としては何の罪もない子供を含む3人を殺傷した犯行は到底許されるものではないと考えており、判決を厳粛に受け止めている」と述べた。その上で、「邦人の安全確保を中国側に引き続き強く求めていく」と語った。

政府は中国政府に対し、動機を含む事実関係の解明を求めてきた。外務省によると、裁判では被害者の国籍や氏名を除き、日本についての言及はなかった。周被告が意図的に日本人の子供を狙ったのか、動機については不透明な部分が残っている。

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