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蔣介石の銅像前で最後の儀仗兵交代式 台湾・民進党が「個人崇拝」見直し

産経ニュース 2024年7月14日 18時40分

【台北=西見由章】台湾の初代総統、蔣介石を顕彰する施設「中正紀念堂」の銅像ホールで行われてきた儀仗(ぎじょう)兵の立哨と交代式が15日から撤廃される。儀仗兵のパフォーマンスは日本などからの観光客にも人気だったが、紀念堂敷地内の屋外での実施に変更し、立哨は取りやめる。銅像前で行われる最後の交代式を見ようと14日、多くの市民や観光客が訪れた。

中正紀念堂は中国国民党一党独裁時代の1980年に完成し、蔣介石の銅像前での儀仗兵の立哨と交代式が始まった。与党・民主進歩党は蔡英文前政権時代から、紀念堂が「個人崇拝」や「権威主義」の象徴だとして見直しを進めてきた。

紀念堂を見学に訪れた消防設備士の駱仲奕(らく・ちゅうえき)さん(40)は「銅像前での交代式がなくなるのは残念だ。個人の政治思想はさまざまだが、歴史には向き合わないといけない」と語った。

「中正」は蔣介石の字(あざな)で、国民党永久総裁の蔣をたたえる中正紀念堂は国民党と民進党の対立に揺れてきた。民進党の陳水扁政権は2007年に「台湾民主紀念館」に改名したが、国民党の馬英九政権が09年に「中正紀念堂」に戻した経緯がある。

銅像ホールでの儀仗兵の交代式は日中、1時間ごとに行われてきた。15日以降は同様に、紀念堂前の「民主大道」周辺で儀仗兵のパフォーマンスが行われる。

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