【北京=三塚聖平】中国南部、広東省深圳(しんせん)で昨年9月に起きた日本人男子児童の刺殺事件で、起訴された中国人の男の初公判が今月24日に開かれることが10日、分かった。日本政府関係者が明らかにした。中国側から在広州日本総領事館に連絡があったという。
中国政府は事件について「偶発的な事件」などと主張し、日本人を狙った犯行なのかといった動機など日本側が求める詳細を公表していない。裁判を通じて判明するか注目される。
事件は昨年9月18日に発生した。深圳の日本人学校に通う当時10歳の邦人男子児童が登校中に男に刺され、翌日未明に死亡が確認された。男は現場で身柄を拘束された。事件当日は満州事変の発端となった柳条湖事件の発生日だったため、日本人を狙った犯行との見方がある。
中国では昨年6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人母子が日本人学校のスクールバスを待っていたところ中国人の男に刃物で襲われて負傷し、男を阻止しようとしたバス案内係の中国人女性も刺されて死亡する事件が起きている。同事件に関する初公判は今月9日に開かれた。