【台北=西見由章】台湾の第2野党、台湾民衆党の柯文哲主席(党首に相当)が汚職容疑で逮捕された事件で、台北地方法院(地裁)は1日、検察当局による2カ月間の勾留延長請求を認めた。検察側は収賄罪での起訴に向け、柯氏や民衆党への具体的なカネの流れを重点的に捜査しているもようだ。
検察当局は柯氏が台北市長だった2020年以降、商業ビル開発を巡り企業側の依頼を受け、容積率を不正に引き上げて便宜を図った疑いなどで柯氏を8月末に逮捕。地裁は証拠不足を理由に保釈金なしでの釈放を決定したが、9月上旬の差し戻し審では一転して「犯罪の嫌疑が重大」だとして2カ月間の勾留を認めていた。
検察当局は10月下旬、日本に滞在している柯氏側近の女性秘書を指名手配した。秘書は8月末、柯氏が家宅捜索を受ける直前に日本に渡航しており、事件に関する事情聴取を求めたが応じないためだという。指名手配により秘書の旅券は失効した。この秘書は「柯氏の帳簿係」(台湾メディア)とされ、検察当局は事件解明のキーパーソンとみているもようだ。