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中国から台湾へ密航者相次ぐ いずれも軍事要衝に漂着、ゴムボートをレーダー検知できず

産経ニュース 2024年9月14日 17時29分

【台北=西見由章】台湾の海巡署(海上保安庁に相当)は14日、ゴムボートで北部・新北市の海岸付近に侵入した中国籍の男を発見、拘束したと発表した。男は深刻な脱水症状があり、治療を受けている。調べに対し「中国国内で負債があり、台湾で新たな生活を始めようと思った」と供述しているという。

一方、現場の海岸は中国軍が台湾侵攻の際に上陸することが想定される淡水河の河口まで数キロの地点にある。同河口では6月上旬、小型ボートに乗って侵入した中国海軍の退役軍人が逮捕される事件が起きたばかり。中国からの「密航者」が台湾の軍事的要衝に相次いで漂着する事態を巡っては、台湾側の対応能力を探る「グレーゾーン作戦」を疑う見方もある。

海巡署によると、14日午前7時過ぎ、海岸から約100メートルの海上で男の身柄を確保した。男が乗っていたゴムボートは長さ3・6メートルと小さく、レーダーでは検知できなかったという。

台湾メディアによると、男は30歳前後。中国浙江省寧波の海岸を出発して台湾に渡ったと供述しているという。

6月に淡水河の河口で逮捕された中国海軍の退役軍人は「自由を求めて台湾に投降した」と供述。台湾当局は退役軍人が小型ボートで福建省から約260キロの台湾海峡を渡ってきたとみている。

淡水河の河口は総統府などがある台北の官庁街まで約22キロと近く、台湾の陸軍は有事に備えて防衛部隊を置いている。

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