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中国が台湾・馬祖への旅行を解禁 離島住民の観光客依存や投資呼び込み狙う

産経ニュース 2024年8月23日 17時47分

【台北=西見由章】中国福建省当局は23日までに台湾の離島、馬祖への旅行の申請受け付けを再開した。中国は台湾離島の周辺で海警船のパトロールを常態化させて現状変更を進める一方、中国客に依存する離島住民の取り込みを狙う。頼清徳政権への統一圧力強化に加え、中国に投資を呼び込む思惑もありそうだ。

台湾メディアによると、福建省公安局は22日、同省住民の個人・団体が馬祖を観光旅行するための手続きを再開した。最大で15日間滞在できる。

中国に融和的な台湾最大野党、中国国民党の立法委員(国会議員に相当)や離島、金門の県議らは22日、訪問先の北京で台湾政策を主管する中国国務院(政府)台湾事務弁公室トップの宋濤主任と会談。報道によると、宋氏は「皆さんを手ぶらでは帰さない」と発言した。金門住民の間でも中国からの旅行解禁を期待する声が高まっている。

中台を巡っては、2月に金門沖で台湾当局が追跡した中国漁船が転覆し、2人が死亡する事故が発生。事故処理で紛糾したが、7月末に合意した。以降、中台間の懸案事項が次々と解消されている。台湾当局者は中国側が緊張緩和を進める背景として、「離島住民に(対岸の)福建省での不動産購入や投資を呼びかけている」現状を挙げる。

中国は中台関係の悪化を受けて2019年8月から台湾への個人旅行を停止。団体旅行も新型コロナウイルス禍以降、原則停止している。

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