名古屋「正論」懇話会の第57回講演会が11日、名古屋市の名鉄グランドホテルで開かれ、東京大教授の阿古智子氏が「中国でいま、何が起きているのか」と題して講演した。
中国では、景気悪化や大規模な言論統制に伴い、社会情勢が不安定化しており、交流サイト(SNS)では反日発言が散見される。日本人学校に通う男児への襲撃事件の背景について、阿古氏は「思考力が欠如している人は、容易にプロパガンダの影響を受けてしまう」と分析した。
また阿古氏は「商機を求めたり、弾圧から逃れるために一時的に来日する中華系移住者が増えている」と指摘。「中国の知識人は母国の問題を鋭く捉え、前向きな影響を与えることができる。国は、こうした知識人の受け入れ体制などを整備する必要がある」と提言した。