【北京=三塚聖平】香港メディアによると、中国国防省は28日、中国人民解放軍の最高指導機関である中央軍事委員会の苗華(びょう・か)委員が「重大な規律違反」の疑いで調査を受けていると明らかにした。中国軍では汚職疑惑により現役幹部らの粛清が続いている。
苗氏は軍内で共産党の思想教育を担う政治工作部主任を務めていたが、職務を停止されたという。違反の詳細については明らかにしていない。中国国防省のホームページによると、苗氏の動静は10月7日に新疆(しんきょう)ウイグル自治区で開かれた記念式典への出席を最後に途絶えている。
英紙フィナンシャル・タイムズは26日、董軍(とう・ぐん)国防相が中国軍を巡る大規模汚職の調査対象になっていると報じていた。台湾メディアによると、中国国防省報道官は28日の記者会見で、この報道について「全くの捏造(ねつぞう)だ」と否定した。
苗氏は、習近平国家主席(中央軍事委員会主席)が福建省で勤務していた時代に関係を深めたとされる。
中国軍を巡っては、ロケット軍や装備調達部門を巡る汚職疑惑が伝えられている。党は6月、李尚福(り・しょうふく)前国防相と魏鳳和(ぎ・ほうわ)元国防相の党籍を剝奪する処分を決定している。