【台北=西見由章】台湾の頼清徳総統は30日、外交関係のある太平洋島嶼(とうしょ)国のマーシャル諸島とツバル、パラオの3カ国を訪問するため、チャーター機で出発した。5月の総統就任以降で初の外遊となる。経由地として米軍の重要基地があるハワイ州と米領グアムに立ち寄り、米国との緊密な協力をアピールする。12月6日に台湾に戻る。
頼氏は出発前に「台湾が民主主義の模範であるだけでなく、世界の平和と安定、発展を促進する重要な力であることを示したい」と語った。
中国は太平洋島嶼国への経済的、軍事的な影響力を強め、台湾と外交関係を持つ国への断交攻勢をしかけてきた。台北の政治研究者は「太平洋島嶼国は近年、特に戦略的な重要性が高まっており、関係を固める必要がある」と指摘する。
中国当局は頼氏の米国立ち寄りに反発しており、外遊を口実にした大規模な軍事演習を台湾側は警戒する。