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中国、10日の「双十節」に台湾上空へロケット発射か 大規模軍事演習の予測も

産経ニュース 2024年10月9日 18時31分

【台北=西見由章】台湾の国防部(国防省に相当)は9日までに、建国記念日に当たる「双十節」の式典が開かれる10日に中国側が運搬ロケットを発射し、台湾の防空識別圏(ADIZ)上空を通過する見通しだと発表した。式典では中国側が「台湾独立派」として敵視する頼清徳総統が演説する。中国側が演説を受けて、大規模な軍事演習を行うとの見方も出ている。

国防部によると、ロケットは中国四川省の西昌衛星発射センターから西太平洋に向けて発射される見通し。顧立雄国防部長(国防相)は8日の立法院(国会)質疑で「防空警報は発動しない」としつつ、各種の監視手段でロケットの動向を把握すると述べた。

中国は台湾の総統選直前の1月、衛星搭載ロケットを西昌衛星発射センターから打ち上げ、台湾本島上空の大気圏外を通過させた。有権者に圧力をかける思惑があったとみられており、今回の発射も頼政権を恫喝(どうかつ)する狙いがありそうだ。

また台湾メディアは当局者の話として、中国が頼氏の演説内容を口実に、台湾周辺で大規模軍事演習を行う可能性が高いと報じた。

頼氏は5月20日の総統就任演説で、台湾は中国に「隷属しない」などと発言。中国軍は「台湾独立分裂勢力に対する強力な懲罰」として、同23日から台湾周辺で大規模な軍事演習「連合利剣-2024A」を実施した。双十節の式典後には「B」と名付けた演習を実施する可能性があるという。

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