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中国外務省「領空侵犯の意図ない」 政治往来の一方で日本周辺の軍事活動が活発化

産経ニュース 2024年8月27日 18時28分

【北京=三塚聖平】中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は27日の記者会見で、中国軍機が日本の領空を侵犯したことについて「中国はいかなる国の領空にも侵入するつもりはない」と表明した。詳細については「関係部門が状況について調査、確認しているところだ」と述べるにとどめたが、領空侵犯は意図的なものではなかったとの認識を示した形だ。

林氏は、日本政府が中国側に抗議していることについて「双方は既存のルートを通じて意思疎通を保っている」と指摘した。

27日から自民党の二階俊博元幹事長ら超党派の日中友好議員連盟が中国訪問を始めた。日中間では新型コロナウイルス禍を機に停滞していた政治往来が活発化しているが、今回の領空侵犯がこうした機運に水を差す可能性もある。

中国軍機の領空侵犯について中国の交流サイト(SNS)では、今年7月に海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が浙江省沖の中国領海を一時航行したことに対する「意趣返し」という見方も浮上している。

近年、中国は日本周辺で軍事的な活動を活発化させている。2022年8月に中国軍が台湾を包囲する形で実施した大規模軍事演習では、弾道ミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)にも着弾させた。また、昨年12月に中国のH6爆撃機2機とロシアのTU95爆撃機2機が日本海から東シナ海にかけての長距離を共同飛行するなど、ロシアと足並みをそろえた活動も日本周辺で盛んになっている。

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