【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、企業への貸出金利の指標となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・10%のままで維持した。据え置きは2カ月連続。10月に引き下げに動いており、引き下げ効果を見極める構えとみられる。
中国共産党と政府は今月11、12両日、北京で中央経済工作会議を開き、来年の経済政策運営の基本方針に関し、「適度に緩和的な金融政策」を実施することを決めた。従来は中立的な「穏健」という表現を使っており、約14年ぶりの方針転換となった。これを受け、2025年は利下げを適時実施する見通しだ。
人民銀は、住宅ローン金利の基準となるLPRの5年物も3・60%と2カ月連続で据え置いた。中国当局は9月下旬以降、不動産支援策を進めており、その効果もあって11月の新築住宅価格指数は大都市を中心に底打ちの兆しも出ている。
LPRは主要銀行が優良顧客に示す金利を基に、人民銀が毎月算出して公表している。人民銀は10月に1年物と5年物をいずれも0・25%引き下げた。引き下げはいずれも今年7月以来3カ月ぶりだった。