【北京＝三塚聖平】中国税関総署が７日発表した７月の貿易統計（ドル建て）によると、輸出は前年同月比７・０％増の３００５億ドル（約４４兆円）だった。４カ月連続で前年実績を上回った。電気自動車（ＥＶ）を含む自動車の輸出好調が続いている。ただ、輸出の伸び率は６月（８・６％増）から減速しており、中国の景気を支えてきた海外需要が鈍化している可能性がある。
輸入は７・２％増の２１５９億ドルで、２カ月ぶりにプラスに転じた。品目別では集積回路（ＩＣ）などの輸入が伸びている。バイデン米政権が進める対中半導体輸出規制の強化に備えた動きという見方が浮上している。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は８４６億ドルの黒字だった。
１～７月の累計では、輸出が前年同期比４・０％増、輸入が２・８％増で、輸出と輸入を合わせた貿易総額は３・５％増だった。
同時期の国・地域別のデータを見ると、米国との貿易総額が１・４％増だった。輸出が２・４％増と伸びたことが牽引した。貿易総額は東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）とは７・７％増だったのに対し、欧州連合（ＥＵ）とは２・０％減、日本とは５・２％減だった。
ウクライナ侵略後も密接な経済・貿易関係を保つロシアとの貿易総額は１・６％増。輸入拡大を受けて伸びが続いているが、輸出は１・１％減とマイナスだった。米国の対露追加制裁が影響しているとみられる。