【北京＝三塚聖平】中国外務省は5日発表した報道官談話で、バイデン米大統領がこのほど、習近平国家主席に中国建国75年の祝意を伝えたと明らかにした。米中間ではバイデン氏と習氏による対話を調整しており、バイデン氏からの祝意を公表することにより、両首脳間の意思疎通が良好に行われていることを示す狙いとみられる。
中国外務省によると、バイデン氏は「米国人民を代表して、あなたと中国人民に祝賀の意を表する」などと表明した。中国は今月1日に建国75年となる国慶節（建国記念日）を迎えた。
米中間では、中国の王毅（おう・き）共産党政治局員兼外相が9月下旬にブリンケン米国務長官と会談し、バイデン氏と習氏の意思疎通を図ることの重要性で一致した。首脳間の電話会談のほか、11月のペルーでのアジア太平洋経済協力会議（APEC）首脳会議やブラジルでの20カ国・地域（G20）首脳会議に合わせた対面会談を模索しているとみられる。
中国側は、台湾問題などでは米側に一切譲歩しない姿勢を鮮明にしているが、11月に行われる米大統領選もにらんで米側との対話を積極化させている。