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暴漢から邦人守って死亡の中国人女性 胡友平さんに敬意と哀悼の表明広がる 与野党議員

産経ニュース 2024年7月1日 19時9分

中国江蘇省で日本人学校のスクールバスが中国人の暴漢に襲われた事件を巡り、男を阻止しようとして刺され死亡したバス案内係の中国人女性、胡友平(こゆうへい)さんに対し、X(旧ツイッター)で感謝と敬意、哀悼の意を表明する動きが与野党議員に広がっている。一方、在中国日本大使館が中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に胡さんに哀悼の意を表した投稿には7月1日午後6時時点で22・4万件の「いいね」がつくなど反響が大きく、胡さんの行動に敬意を表する中国人のものとみられるメッセージも相次いでいる。

「胡さんの勇気に感謝」

事件は6月24日、同省蘇州市内でスクールバスが停車したバス停で発生した。52歳の男が刃物でバスを待っていた日本人親子を襲った後、バス内に侵入しようとして、胡さんが阻止。日本人親子は命に別条はなかったが、胡さんは男に刺され、26日、死亡した。男は警察に拘束された。

事件を巡って、自民党の山田宏参院議員は28日、Xで「心より哀悼の誠をささげます。卑劣な暴漢から、身をていして母子を守ってくださった胡さんの勇気に心から感謝申し上げます」と投稿。牧原秀樹衆院議員も同日、「日本人親子を文字通り命がけで守ってくださり、亡くなられた胡友平さんに心からの感謝とご冥福をお祈り申し上げます。本当にありがとうございました」と書き込んだ。

国民民主党の玉木雄一郎代表も同日、「胡友平さんの勇気ある行動に感謝と敬意を申し述べるとともに心からご冥福をお祈りします。彼女がいなければ多くの子どもたちが犠牲になっていたかもしれません」とした上で、「仮に、行きすぎた反日思想が犯行の一因なら、早急に然るべき対策を講じることを中国当局に求めます」とした。

「美談で終わらせず原因究明を」

自民党の衆院東京8区支部長の門寛子氏はXで胡さんの冥福を祈った上で、「彼女がいなければ、多くの子どもたちが犠牲になりえました」とし、「中国当局におかれては原因究明を強く要請します。美談で終わらせず、行きすぎた、時に虚偽情報に基づく愛国排外思想の蔓延(まんえん)が犯罪を誘発してるのなら、対策が不可欠です」と書き込んだ。

また、日本維新の会の奈良1区支部長の高野敦氏は「国家として首相が深い感謝表明や、遺族へ見舞金の支払いをなぜ実施しないのか。身をていして子供を守った英雄に人種や国境は関係ない。日本は歴史的にも正義と善と徳を重んじる国であるべき」と政府のさらなる対応を求めた。

中国当局は拘束した中国人の男の犯行動機について、日本人を狙ったものではなく「偶発的」とみているという。

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