【台北=西見由章】太平洋島嶼国3カ国への外遊にあたり米ハワイ州を訪問していた台湾の頼清徳総統は1日、ホノルルのシンクタンク「東西センター」での座談会に出席し、「台湾にとって最大の挑戦は中国の脅威だ」と発言した。米下院元議長のペロシ下院議員との電話会談も行った。総統府の報道官が現地で記者団に明らかにした。
座談会はメディアに非公開で行われた。総統府や台湾の中央通信社によると、頼氏は台湾が防衛力強化に努め、半導体など世界の供給網に貢献し、地域の平和と安定維持にも注力していると強調。質疑応答でも「国の生存と発展の維持」「国防力の強化」などが総統としての使命だと語った。
また、ペロシ氏は頼氏との電話会談で「もしインド太平洋地域に台湾がなければ、地域の安全や世界経済に想像しがたい結果をもたらすだろう」と述べた。
頼氏は3日以降、マーシャル諸島やツバル、米領グアム、パラオを歴訪し、6日に台湾に戻る。
中国外務省が頼氏の米国立ち寄りに反発したことに対し、台湾の対中政策を主管する大陸委員会は1日、「慣例に基づく米国通過は正当な権利の行使で、中国共産党がとやかく言う権利はない」と反論した。