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欧米・ウクライナ内に「露占領地放棄と引き換えにNATO加盟」案広がる FT報道

産経ニュース 2024年10月6日 10時12分

ロシアによるウクライナ侵略で、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は5日、欧米諸国やウクライナの当局者の間で最近、ロシアの占領下にあるウクライナ領の実効支配をロシアに認めることと引き換えに、ウクライナを北大西洋条約機構(NATO)に加盟させて安全を保証する形で停戦を実現する案が広がっていると報じた。

FTは「ウクライナは領土奪還を目指しているが、人員や兵器、支援が不足している」と指摘。こうした状況下で、NATOのストルテンベルグ前事務総長やNATO元高官のチェコのパベル大統領が最近、メディアに「境界線さえ引かれればウクライナはNATOに加盟できる」との考えを示したとした。

ただ、ロシアは「軍事作戦は目標達成まで続ける」と表明。ウクライナのNATO加盟を否定する「非軍事化」▽同国の反露派勢力を排除する「非ナチス化」▽ウクライナ東・南部4州のロシアへの割譲-などの要求をウクライナが受け入れない限り、停戦には応じないとしている。現時点でロシアが占領地域と引き換えにウクライナのNATO加盟を容認する可能性は低いとみられる。

FTも「(この案の)賛同者の多くはロシアがこの案を嫌うことを理解している」とした上、米国やドイツは現時点でウクライナのNATO加盟に慎重で、実現可能かどうかは未知数だとする見方を提示。ただ、ウクライナがNATOに加盟する際、NATOの基地や核兵器を国内に置かず、自衛以外の武力行使もしないと約束すれば、ロシアが「暗黙」のうちに容認する可能性があるとの見解も示した。(小野田雄一)

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