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ウクライナ新兵器「ドラゴンドローン」公表 2200度の溶解鉄降らせる 対露戦投入か

産経ニュース 2024年9月11日 10時51分

ロシアと戦うウクライナ軍が、火炎をドローン(無人機)で上空から噴射する新兵器を開発したと明らかにした。火を吹く竜になぞらえて「ドラゴンドローン」と呼ばれる。米CNNは、火炎について摂氏2200度の溶解金属だと報じた。

ウクライナ国防省は4日、SNSで「ハリコフ(ウクライナ東部)に向かうドラゴンドローン」と題した動画を公開した。森の上を低空飛行しながら火炎を降らせる様子が映っている。イエルマーク大統領府長官は、夜間飛行した後に爆発するドローンの動画をSNSに投稿し、「まさにドラゴン」と書き込んだ。

動画は、軍関連の複数のSNSで発信された。実戦で使用されたのか否かなど、詳細は明らかにされていない。

CNNによると、溶解金属は、アルミニウム粉と酸化鉄を混合した特殊金属テルミットとみられる。テルミットは高温で燃えあがり、第二次大戦では焼夷弾として使われた。ウクライナ軍第60機械化旅団は、「敵の陣地をこれほど的確に燃やせる兵器はない」と発信し、森に潜んでいるロシア軍攻撃への投入を示唆した。新兵器を誇示し、威嚇する狙いとみられる。

テルミットは、ナパーム弾や白リン弾としても使われる。これらの焼夷兵器は国際法上、軍事標的への使用は禁じられていないが、重度の火傷や呼吸器障害に加え、長期的に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を残すとして、人道団体は規制を求めている。ウクライナはこれまで、ロシアの焼夷兵器で民間人の犠牲が出たとして非難してきた。(三井美奈)

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