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NATO任務の仏軍機にロシアがレーダー照射 バルト海上空で 「威嚇」と国防相非難

産経ニュース 2025年1月18日 9時47分

フランスのルコルニュ国防相は17日の声明で、バルト海で北大西洋条約機構(NATO)の監視任務にあたっていた仏軍の対潜哨戒機がロシアの射撃管制用レーダーの照射を受けたと明らかにした。ロシアによる威嚇行為だとして、「受け入れ難い」と非難した。

声明によると、仏軍哨戒機アトランティック2は15日から16日にかけてバルト海上空を飛行中、ロシアの地対空ミサイルシステム、S400の火器管制レーダーの照射を受けた。哨戒機がいたのは、国際水域の上空だったと強調している。ルコルニュ氏は「航空の自由」を守るため、仏軍の活動を続けると表明した。

NATOは14日、バルト海の海底インフラを防護するため、新たな軍事作戦「バルトの哨兵」の開始を宣言しており、レーダー照射はロシアによる「報復」(仏紙フィガロ)との見方が強い。S400は射程約400キロで、バルト海に面するロシアの飛び地領カリーニングラードに配備されている。アトランティック2は、スウェーデンやバルト諸国近海の航行船舶を上空から監視していた。

バルト海では最近、ドイツやエストニア、スウェーデンなど沿岸のNATO加盟国をつなぐ海底ケーブルの損壊事件が相次いでいる。破壊工作によるものと指摘され、ロシアによるハイブリッド攻撃への警戒が高まっていた。(三井美奈)

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