カザフスタン西部アクタウ近郊で25日に起きたアゼルバイジャン航空機の墜落で、ロシア航空運輸局のヤドロフ長官は27日、同機が当初着陸を予定していた露南部グロズヌイの空港周辺は当時、ウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃を受けていた上、濃霧に覆われていたと指摘した。その上で「ロシアは国内の別の空港への着陸を提案したが、機長がアクタウに向かうと決めた」と主張した。タス通信が伝えた。
墜落を巡っては、一部のアゼルバイジャンメディアが「ロシアは防空ミサイルの誤射の痕跡を隠すために同機をカスピ海に墜落させようと考え、対岸のアクタウへの飛行を指示した」との見方を提示。ヤドロフ氏はこうした疑惑を否定した形。
ヤドロフ氏はまた、機長がグロズヌイの空港に2回着陸を試みたものの失敗したと指摘。「ロシアは墜落原因の調査に全面協力する用意があるとカザフとアゼルバイジャンに伝えた」と述べた。カザフ政府は現時点で調査へのロシアの参加を認めていないとされる。
一方、アゼルバイジャンのナビエフ・デジタル開発・運輸相は27日、同機が「外部からの干渉」で墜落したと指摘した。アゼルバイジャン航空も同日、同様の暫定調査結果を公表し、同機が露軍の防空ミサイルなどで撃墜された可能性が高いとする見方を示唆した。(小野田雄一)