Infoseek 楽天

ゼレンスキー氏「露軍が反撃開始」 越境攻撃下のクルスク州 戦局の帰趨を左右

産経ニュース 2024年9月13日 9時35分

ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は12日、自国軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州の戦況に関し、「露軍が反撃行動を開始した」と述べ、露軍が同州の奪還作戦に着手したとの見方を示した。露軍の反撃は「われわれの計画通りだ」とも述べた。

ウクライナの首都キーウ(キエフ)で行われたリトアニアのナウセーダ大統領との会談後の共同記者会見での発言を現地メディアが伝えた。

一方、露国防省は12日、クルスク州で過去2日間に集落10カ所を奪還したと報告した。

ゼレンスキー氏は越境攻撃と露領土占領の狙いについて①ロシアを交渉に引き出して譲歩を迫る②露軍戦力を分散させ、最激戦地のウクライナ東部ドネツク州で露軍の圧力を弱める-ことなどだと説明してきた。

プーチン露大統領は今月、占領された領土を奪還する意思を繰り返し表明。越境攻撃が失敗すれば、ウクライナは戦力が枯渇し、ロシアの求める条件で和平交渉に応じざるを得なくなるとの認識も示していた。

露軍はウクライナの狙いに反し、越境攻撃の開始後もドネツク州に主力を維持。ウクライナ軍は越境攻撃に戦力を投入した結果、ドネツク州の防衛が手薄となり、劣勢が進んでいるとされる。ウクライナ軍が露軍の反撃を阻止し、クルスク州の占領地域を維持できるかが今後の戦局の帰趨(きすう)を左右しそうだ。

クルスク州での露軍の反撃を巡っては、露軍の現地部隊司令官が、「攻勢に転じ、10集落を奪還した」と主張。ウクライナや欧米の軍事メディア、米シンクタンク「戦争研究所」なども露軍が同州で反撃に着手したと分析していた。

ウクライナ軍は8月6日に越境攻撃に着手。8月下旬時点でクルスク州の集落100カ所と面積1300平方キロを掌握したと報告していた。

この記事の関連ニュース