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英新議会が開会 チャールズ国王、施政方針演説で経済成長と不法移民摘発の強化を強調

産経ニュース 2024年7月17日 17時28分

【ロンドン=黒瀬悦成】7月4日実施の英総選挙の結果を受けた新議会の開会式が17日、行われた。チャールズ国王が演説し、14年ぶりに政権を奪還した労働党のスターマー政権の施政方針を発表。新政権が上程する35以上の新たな法案を通じて経済成長に重点的に取り組んでいくことを明らかにした。

新議会での国王の演説は、政権の方針を国家元首の立場で代読して発表するのが慣例になっている。

移民政策では、情報局保安部(MI5)や警察、検察などの要員を擁する国境警備司令部を設立し、英国への不法移民をあっせんする業者の摘発をテロ対策並みに徹底する。

財政政策では、財政規律の維持に向けて独立機関「予算責任庁」(OBR)の役割を強化し、同庁による経済・財政の予測やリスク分析をより積極的に政策に反映させていく。

保守党のトラス元政権が2022年、OBRの提言を受けることなく財源の裏付けなしに大幅な減税政策を打ち出し、株式市場の暴落とポンド安を引き起こしたのを教訓としている。

1990年代に分割民営化されてから非効率やダイヤの乱れが深刻化している鉄道を5年以内に再国有化する方針も打ち出す。

議会制度をめぐっては上院を構成する世襲貴族の議決権の廃止や、上院議員に80歳定年制を導入するなどの上院改革に着手する。

選挙制度関連では投票年齢に達している国民を自動的に有権者登録することや、投票年齢を18歳から16歳に引き下げることなどを目指すとしている。

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