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ロシア、モディ氏訪露で伝統的友好を強調 「孤立」否定も実利重視のインドと温度差も

産経ニュース 2024年7月9日 21時4分

ロシアのプーチン大統領はインドのモディ首相との9日の会談で、両国の伝統的な友好を強調した。ウクライナ戦争を巡り欧米と対立する中、新興国の代表格であるインド首脳を迎え、ロシアは国際的に孤立していないと誇示している。ただインドは「解決策は戦場では見つからない」(同国外交筋)として中立外交を貫き、欧米と中露の対立に巻き込まれるのも避けたい構え。露印には抜きがたい温度差が残っている。

モディ氏はプーチン氏の招待を受け訪露。プーチン氏はモスクワ到着後のモディ氏を、まず露大統領公邸に招いて厚遇した。米ワシントンでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせてモディ氏と会談し、国際的な孤立イメージを払拭したい思惑もあった。

ロシアはウクライナ侵略後、グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)との関係を強化し、国際的孤立や欧米主導の対露制裁の打撃を緩和させようとしてきた。グローバルサウスの筆頭格とされるインドとの関係強化もこうした外交戦略に基づくものだ。

一方、モディ氏はウクライナ侵略の平和的解決を求める立場を露側に訴えたとみられる。同氏は2022年9月、ウズベキスタンでプーチン氏と会談し、「今は戦争の時代ではない」と言及。今回も改めて説得を試みた形だ。ただ、インドはこれまで、国連総会などの場で民主主義陣営主導のロシア非難にも加わってこなかった。

インドは対中牽制も念頭に日米豪との協力枠組み「クアッド」に参画。領土問題で中国と対立する中、最近の中露接近への警戒を強めており、ロシアとインドの関係強化にはハードルがある。(小野田雄一、岩田智雄)

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