Infoseek 楽天

アゼルバイジャン、石破首相にCOP29訪問要請 大統領特使「万博パビリオン3月完成」

産経ニュース 2024年10月21日 15時0分

訪日した旧ソ連・アゼルバイジャンのエルチン・アミルバヨフ大統領特使が東京都内で産経新聞のインタビューに応じ、11月に首都バクーで開催される国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に、石破茂首相の招待を目指す意向を明らかにした。対立する隣国アルメニアとの和平進展に向け日本の協力を得たい考えも示した。2025年大阪・関西万博に出展する独自設計の「タイプA」パビリオンについては「来年3月に完成する」とした。

アミルバヨフ氏は「日本と外交関係を樹立して以降、日本の首相がわが国を訪れたことはない」とし、「石破氏の訪問が実現すれば歴史的なことだ」と強調。アリエフ大統領との首脳会談が行われるとした。

アゼルバイジャンは昨年、アルメニアとの係争地であるナゴルノカラバフを全面的な支配下に置き、現在アルメニア側との和平交渉を進めている。交渉で中心的な役割を担うアミルバヨフ氏は「平和条約の草案で8割は合意している」と明かしたが、アルメニア憲法にナゴルノカラバフの主権を主張する項目があり、取り下げを求めていると説明した。

日本が国連安全保障理事会の非常任理事国である点にも触れ、「持続的で不可逆的な平和に貢献し得る」との考えを示した。日本企業に対しては、アゼルバイジャンが力を入れる再生可能エネルギーへの投資を求めた。ナゴルノカラバフにおける地雷除去での協力も希望した。

一方、アゼルバイジャンは25年の万博開催を巡り日本やロシアと誘致を競ったが、最終的に大阪での開催が決まった経緯がある。万博誘致を目指した理由について「ソ連の崩壊を受けて独立を回復した国で、まだ歴史が浅い。万博のような巨大イベントを開催できる事実を示したかった」と語った。COP29開催において「万博誘致を目指した経験が多くの教訓を与えてくれた」とした。

タイプAでの出展を目指す大阪・関西万博のパビリオンは、最終的な完成が万博開幕直前の来年3月になるとし、会期中に参加国が日替わりで自国の文化を発信する「ナショナルデー」は6月5日に開催すると明かした。(黒川信雄)

この記事の関連ニュース