ロシア国防省は11日、南部ロストフ州タガンログの空軍基地がウクライナ軍のミサイル攻撃を受け、負傷者が出たほか、迎撃時の破片で建物などが損傷したと主張した。攻撃には米国製の長射程ミサイル「ATACMS（エイタクムス）」6発が使用されたとし、「欧米製の長射程兵器による攻撃には適切な措置が取られるだろう」と報復を予告した。
一方、米当局者は11日、ロシアが近く新型の中距離弾道ミサイル「オレシニク」をウクライナに再び発射する可能性があるとの見方を示した。複数の欧米メディアが伝えた。この当局者はまた、ロシアは現時点でオレシニクを少数しか保有しておらず、戦局を変えることはないと指摘した。
11日未明には露西部ブリャンスク州の燃料貯蔵施設もウクライナ軍のドローン（無人機）攻撃を受け、火災が発生した。同州のボゴマズ知事が交流サイト（SNS）で発表した。ウクライナ軍参謀本部も「露軍に燃料を供給していた」とし、同施設への攻撃を認めた。
ロシアは先月21日、ウクライナにオレシニクを初めて発射した。この発射に関してプーチン露大統領は同日、欧米諸国がウクライナに供与した長射程兵器による露国内攻撃を容認し、実際に攻撃が行われたことによる報復だったと主張。露国内攻撃が続けば同様の報復を続けるとも警告した。