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英極右の暴動で逮捕者140人以上に 4日も難民滞在先のホテルなど襲撃

産経ニュース 2024年8月5日 8時40分

【ロンドン=黒瀬悦成】英中部での児童刺殺事件をめぐるデマ情報を発端とした極右勢力の暴動は4日も続き、前日夜から合わせて暴徒ら140人以上が逮捕された。スターマー首相は4日の緊急演説で暴動を「極右による殺人的な蛮行だ」と強く非難した上で、暴動に加わった者は「後悔することになる」と述べ、厳格に取り締まっていくと言明した。

英メディアによると中部ロザラムでは4日、亡命申請中の難民が滞在しているホテルを数百人が襲撃し、ゴミ箱などに放火。一部の暴徒らは中に侵入しようと窓ガラスやドアを破壊した。暴徒らは駆け付けた警官隊と衝突し、警官ら少なくとも10人が負傷した。

3日にも中部ハルにある難民滞在先のホテルが暴徒に襲われている。

極右勢力は亡命申請をしている難民を不法移民と同一視し、難民らの一時滞在費を政府が負担することにも強く反対している。

暴徒らは英国各地のモスク(イスラム教礼拝所)も標的としていることから、スターマー氏は4日、モスク周辺の警備を強化すると発表した。

暴動は、7月29日に英中部で女児3人が殺害され、容疑者の少年が不法移民だったとする偽情報が拡散したのがきっかけ。市民の一人は8月4日、地元メディアに「連中は事件を口実に騒乱を起こしているだけだ」と暴徒らを批判した。

野党・保守党のスナク前首相は4日、X(旧ツイッター)への投稿で、暴徒らが児童刺殺事件とは無関係に暴れていると指摘し、「暴力的で犯罪的な行動が英社会に存在する余地はない」と非難。同党としても警察の取り締まりを全面的に支持すると表明した。

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