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ウクライナ男性600万人、軍に個人情報提出せず 招集警戒か 追加動員に支障

産経ニュース 2024年7月19日 15時54分

ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ最高会議(議会)のオサドチュク議員は、5月に施行された改正動員法に基づいて住所や連絡先など最新の個人情報を7月16日までに軍当局に提出するよう義務付けられた18~60歳の男性国民約1100万人のうち、なお約600万人が提出を済ませていないと明らかにした。ウクライナメディアが18日、伝えた。

過去約2年半にわたる露軍との戦闘で兵員の損耗が進んだウクライナのゼレンスキー政権は、追加動員を見据えて5月18日に改正動員法を施行。しかし、動員の対象となる男性国民の多数が改正動員法の規定を順守していない実態が判明した形で、追加動員に支障が出る可能性がある。

規定に従わない男性国民の多くは、軍に個人情報を提出することで、招集されて戦場に送られる事態を懸念しているとみられる。

ウクライナメディアによると、改正動員法は、兵役対象年齢の18~60歳の男性国民に対し、最新の個人情報を60日以内に軍当局に提出するよう義務付けた。動員を確実にすることや、一部の男性国民のみが従軍している不公平さを解消することが狙いで、違反者には罰金などが科されるほか、指名手配され身柄を拘束される可能性も生じる。

一方、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は今月17日、軍当局への個人情報の提出期限が切れるのに先立ち、一部のウクライナ人男性が業者に多額の金銭を支払い、法律で禁じられた不法出国を試みていると報じた。不法出国に失敗して拘束された場合、兵役を科されることが多いという。(小野田雄一)

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