【ロンドン=黒瀬悦成】ブリンケン米国務長官は13日、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部でルッテNATO事務総長と会談し、ロシアに侵略されたウクライナに対する軍事支援の強化策などについて話し合った。
ブリンケン氏は会談後の記者会見で、北朝鮮がロシアに加勢するためウクライナとの戦闘地域に軍部隊を展開させた問題で、北朝鮮軍による交戦を確認したとし「強力な対抗措置が必要であり、実行に移される」と述べ、軍事支援の強化による反撃行動や露朝への制裁の強化を示唆した。
ブリンケン氏はまた、欧州・大西洋地域とインド太平洋地域、中東の安全保障は「不可分になっている」と訴え、インド太平洋のパートナー諸国との連携の強化に引き続き取り組んでいくと強調した。
会談では、ウクライナ支援に懐疑的なトランプ次期大統領が来年1月に就任するのをにらみ、ウクライナが当面の対露防衛態勢を確保できるよう、向こう数カ月間で支援を拡大させていくことで一致した。
加盟各国が今後も国防費の増額や国防産業の基盤強化に取り組んでいく方針も確認した。
ブリンケン氏は同日、欧州連合(EU)本部も訪問し、ウクライナ支援などに関し協議した。