【ロンドン=黒瀬悦成】英紙テレグラフ(電子版)は27日、スターマー英政権が来年1月20日に就任するトランプ次期米大統領を国賓として招待することを検討していると伝えた。
実現すれば1期目の2019年6月以来2度目となる。労働党のスターマー政権は、トランプ氏が1期目に当時の英保守党政権と比較的良好な関係を築いたのに続き、米英の「特別な関係」の維持を目指しており、国賓招待もその一環とみられている。
同紙によると、英政府が選挙で選出された国家元首を再び国賓として招くのは異例とされる。正式な招待は、トランプ氏が就任後に実施される。チャールズ国王の日程が既に詰まっていることから、トランプ氏の訪問は早くて26年以降になる見通しという。
トランプ氏は今月、訪問先のパリでウィリアム皇太子と会談し、英王室に好意的な発言をしていた。
トランプ氏が19年に訪問した際、労働党のバーコウ下院議長とコービン党首(いずれも当時)は、トランプ氏の外交政策に反発してエリザベス女王主催の晩餐(ばんさん)会を欠席している。
11月の米大統領選では労働党の職員が民主党のハリス候補の陣営にボランティアとして参加していたことが判明し、トランプ陣営が激怒した経緯もあることから、英政権による国賓招待は、「米英の絆」を改めてアピールすることに加え、トランプ氏との関係修復の思惑が込められているのは確実だ。