【パリ=三井美奈】トランプ次期米大統領の支援者である実業家イーロン・マスク氏が12日、イタリアのメローニ首相の不法移民対策に支持を表明した。伊裁判所が人権侵害の恐れを理由にメローニ氏の計画を認めない判決を出したことにX(旧ツイッター)で不満を示し、「判事は出て行け」と書き込んだ。
この計画は、イタリアが不法移民を隣国アルバニアに送り、難民審査を行うもの。イタリアでの移民滞留を防ぐ狙いがある。アルバニアとの合意に基づき、政府は10月半ばに移民移送を開始した。
これに対し、伊裁判所は、移民が難民資格を得られずに強制送還された場合、出身国で安全確保されない可能性があるとの判断を提示。政府は規則を修正したが、11日の判決も移送計画を欧州連合(EU)法違反とみなし、移民をイタリアに戻すよう命じた。
マスク氏はメローニ氏と親しく、トランプ氏が6日に大統領選で勝利宣言した後、電話会談を行った。今回の投稿に対しては、イタリアの左派野党から「外国司法への干渉だ」という反発が出た。
メローニ氏は右派政権の首相。不法移民取り締まり、「自国第一」の立場がトランプ氏と重なる。