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ウクライナ軍が舟橋破壊、動画も公開 露軍包囲狙う 越境攻撃続くクルスク州

産経ニュース 2024年8月22日 8時14分

ロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍は21日、クルスク州の河川に露軍が架設した舟橋を高機動ロケット砲システム「ハイマース」で破壊したとSNSで発表した。破壊の様子を撮影したとする動画も公開した。ウクライナ軍には露軍包囲に向けて補給・移動ルートを断つ狙いがあるとみられる。

ウクライナとロシア双方の発表などによると、ウクライナ軍はこれに先立つ16~19日、ウクライナ国境に接するクルスク州グルシコボ地区のセイム川に架かる橋3本を全て破壊。同地区のセイム川南岸は北岸の露領土から切り離され、孤立した。橋の破壊後、露軍は補給・移動ルートを確保するためセイム川に舟橋を架設していた。

ウクライナ軍が破壊を発表したのはこの舟橋の一つだとみられ、セイム川南岸の露軍は包囲される可能性が高まった。ドイツ大衆紙ビルトの軍事専門家も20日、「ウクライナ軍によるグルシコボ地区での露軍の包囲が近づいている」とする分析をSNSで公表した。

一方、米紙ニューヨーク・タイムズは21日、「軍事的にロシアの立場から見れば、越境攻撃はウクライナ軍の戦力を損耗させ、他の前線で露軍が利益を得る好機となりうる」と指摘。越境攻撃が消耗戦と化せば、ウクライナにとってリスクになるとの見方を示した。

ウクライナと接する露西部ブリャンスク州のボゴマス知事は21日、ウクライナ軍の工作偵察部隊が同州への侵入を試みたものの、露軍と露連邦保安局(FSB)の国境警備部隊が撃退したとSNSで主張した。戦闘の規模は不明。

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