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モルドバ大統領選まで1週間 親欧米路線が継続の見通し 露の介入が不安要素

産経ニュース 2024年10月13日 12時0分

ウクライナに接する東欧の旧ソ連構成国、モルドバで20日、大統領選(任期4年)が行われる。同じ日には欧州連合(EU)加盟を国家目標として憲法に明記することの是非を問う国民投票も実施される。モルドバでは親欧米派と親ロシア派の政治勢力による政権交代が相次いできたが、事前の支持率調査では親欧米派のサンドゥ現大統領が大きくリード。国民の大半もEU加盟を望んでおり、選挙後も親欧米路線が続く公算が大きい。

親欧米派の現職がリード、EU加盟巡る国民投票も

「モルドバの未来は欧州にある。国が欧州に加わるために私は2期目を目指す」。選挙戦でサンドゥ氏はこう述べ、自身への投票を訴えてきた。

米ハーバード大大学院で公共政策を学び、モルドバ首相などを務めたサンドゥ氏は2020年の前回大統領選で親露派のドドン大統領(当時)に勝利。エネルギー分野などでの対露依存からの脱却を図りつつ、欧州との統合政策を進めてきた。サンドゥ氏はロシアによるウクライナ侵略も強く非難。22年、モルドバの「EU加盟候補国」の地位獲得を実現させた。

国民の多くがサンドゥ氏の路線を支持しているもようだ。大統領選にはサンドゥ氏を含む計11人が候補者登録されているが、モルドバのシンクタンクが今月発表した世論調査によると、サンドゥ氏の支持率は36・1%でトップ。親露派政党の支援を受ける元モルドバ検事総長で、支持率10・1%で2位となったストイアノグロ氏に大差を付けた。

政府庁舎の占拠や大規模買収を計画か

EU加盟の是非を巡る世論調査でも、「賛成」(63・2%)が「反対」(32・4%)を上回っている。順当に行けば、サンドゥ氏の再選とEU加盟目標の憲法明記が支持される可能性が高い。

不安要素はロシアと親露派勢力の動きだ。サンドゥ氏によると、ロシアと親露派はこれまでも政権転覆を狙い、選挙干渉や反政権デモの扇動を行ってきたとされる。

モルドバ警察当局は今月、ロシアに支援された「犯罪集団」が政府庁舎の占拠を含む選挙妨害を計画していたと発表。サンドゥ氏と国民投票に反対票を投じさせるため、ロシアと親露派が1500万ドル(約22億3千億円)を投じ、13万人以上の有権者を買収しようとしたとも発表した。(小野田雄一)

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