東欧の旧ソ連構成国モルドバで3日、大統領選(任期4年)の決選投票が行われた。中央選管によると、開票率約97%の時点で、2期目を目指す親欧米派のサンドゥ現大統領が約54%を得票し、親ロシア派政党に支援された元検事総長、ストヤノグロ氏(約46%)をリード。サンドゥ氏の再選が確定的となった。
サンドゥ政権高官のセクリエル氏は開票に先立ち、「(サンドゥ氏の敗北を狙った)ロシアによる大規模な選挙干渉を確認している」とX(旧ツイッター)に投稿。「選挙結果がゆがむ可能性が非常に高い」と指摘した。一方、露国営タス通信によると、ストヤノグロ氏は投票終了後、サンドゥ氏陣営による選挙違反があったと主張した。
モルドバでは親欧米派と親露派の政治勢力による政権交代が相次いできた。2020年の前回選で親露派候補に勝ち、22年にモルドバの「欧州連合(EU)加盟候補国」の地位獲得を実現したサンドゥ氏は選挙戦で「国の未来は欧州にある」と述べ、欧州統合路線の継続を訴えたきた。一方、ストヤノグロ氏は「モルドバにとってロシアも重要だ」と主張し、対露関係の改善を訴えていた。
先月20日に実施された1回目の投票では、11人の候補者中、サンドゥ氏が得票率42・4%で首位となり、ストヤノグロ氏が26%で2位につけた。当選には過半数の得票が必要で、決着は決選投票に持ち越されていた。
1回目の投票後、サンドゥ氏陣営は、ロシアと親露派勢力が有権者を買収し、サンドゥ氏に反対票を投じさせた証拠があると指摘。ロシアは介入を否定していた。(小野田雄一)