ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ国家安全保障・国防会議傘下にある偽情報防止センターのコバレンコ所長は19日、露北極圏ムルマンスク州に司令部を置く露北方艦隊の基地周辺で爆発が起きたと交流サイト(SNS)で報告した。爆発の様子が撮影されたとする動画も投稿した。同氏は「ムルマンスクとウクライナの直線距離は2千キロだ」と指摘した。
これに先立ち、米政府系メディアは11月下旬、ウクライナが最大射程2千キロの攻撃ドローン(無人機)の運用を始めていると報じていた。ウクライナメディアは、爆発が同国軍のドローン攻撃により起きた可能性があるとの見方を示唆した。露国防省は今月19日までにムルマンスク州での爆発に言及していない。
ムルマンスク州には今年夏以降、複数回にわたってウクライナ軍のドローンが飛来していたとの情報もある。
コバレンコ氏は、ムルマンスク州には北方艦隊司令部のほか、弾薬庫や船舶修理ドッグなどがあると指摘。また、北方艦隊の艦艇はウクライナ領土へのミサイル攻撃にも参加してきたとした。
ノルウェーを拠点に北極圏のニュースを扱うオンラインメディア「バレンツ・オブザーバー」は19日、爆発が起きたのは18日夕で、場所は北方艦隊の本拠地セベロモルスク周辺だと指摘した。
一方、ウクライナの前線の戦況を巡り、ドイツ大衆紙ビルトの軍事専門家は19日、攻防が続いてきた東部ドネツク州の小都市クラホボからウクライナ軍が撤退したとSNSで報告した。これに関して19日時点でロシア、ウクライナ側とも公式発表をしていない。