ロシアによるウクライナ侵略で、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT、電子版)は1月30日、ウクライナ軍の越境攻撃下にある露西部クルスク州に投入された北朝鮮兵が損害拡大により前線から撤退したと報じた。北朝鮮兵は過去約2週間にわたり前線に姿を現していないという。米国とウクライナの当局者から得た情報だとしている。
米当局者はNYTに対し「北朝鮮兵の撤退が永続的なものかは分からない」と指摘。北朝鮮兵が追加訓練を受けたり、損害を減らすために配置場所を変更されたりした後で前線に復帰する可能性もあるとした。ウクライナ当局者は戦場での北朝鮮兵について、わずかな装甲車両とともに前進し、部隊再編や後退のために停止することがほとんどなかったと説明した。
ウクライナや米国、韓国によると、1万1千~1万2千人規模とされる北朝鮮兵は昨年10月、ロシアに入国。訓練を受けた後にクルスク州に派遣され、露軍側で戦闘に参加した。
ウクライナは過去約3カ月間の戦闘で、投入された北朝鮮兵の約半数が死傷したと指摘。北朝鮮が人員補充のため近く増派するとの観測も出ている。