ロシアのラブロフ外相は1日、訪露中の北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とモスクワで会談した。ラブロフ氏は会談冒頭で「露朝間には軍同士の緊密な交流が確立されている。これは両国民の安全に関わる重要な問題の解決を可能にする」と指摘。露朝が6月に締結した事実上の軍事同盟条約「包括的戦略パートナーシップ条約」が「既に履行され始めている」とも述べ、両国の結束を強調した。タス通信が伝えた。
崔氏は、ロシアによる対ウクライナ軍事作戦の開始当初から、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が露軍と露国民を全面的に支援するよう命じてきたと指摘。北朝鮮はロシアの「戦勝」を疑わず、「最後までロシアの朋友の隣に立ち続ける」と表明した。
両外相の発言は、直接的な言及こそ避けたものの、ウクライナ侵略を続けるロシア側での北朝鮮軍の参戦を念頭に置いたものである可能性がある。また、崔氏は「北朝鮮は核戦力の増強を続ける」とも述べ、ロシア側に理解を求めた。
一方、ペスコフ露大統領報道官は1日、北朝鮮軍が近くウクライナ軍との戦闘に参加するとの観測が出ていることについてコメントを拒否した。(小野田雄一)